小学校高学年の英語ライティング:中学進学前に親が知っておきたいこと
公開日 21 June 2026
小学校低学年のうちは、アルファベットや簡単な単語の練習が中心で、保護者もある程度一緒に見てあげられます。ところが5・6年生になると、英語の授業で文を書く機会が増え、文法的な正確さも問われるようになってきます。
小学校高学年は、英語ライティングの習慣を作る重要な時期です。 この時期に身につけた確認習慣は、中学校以降の英語成績に直接影響します。今から土台を作っておくことで、中学進学後のハードルがずいぶん下がります。
小学校高学年の英語ライティング:先生が見ているポイント
学校や先生によって多少異なりますが、小学校高学年の英語ライティングは概ね次の観点から評価されます:
内容(Content): 課題のテーマに沿っているか。考えや気持ちが伝わるか。
言語の正確さ(Language): 文法・スペル・句読点に誤りはないか。文が完結しているか。
語彙(Vocabulary): 単語は多様か。“nice”・“good”・“happy” ばかり繰り返していないか。
構成(Organisation): 始まり・中間・終わりが整っているか。
4つの観点のうち、言語の正確さは保護者が家庭で最も直接的にサポートできる部分です。 語彙や構成の力は時間をかけて伸びていくものですが、文法の正確さは確認習慣を作ることで比較的早く改善できます。
この時期に多い5つの文法ミス
日本語を母語とする小学生の英語ライティングで特によく見られるエラーです:
1. be動詞の省略 「彼はとても嬉しい」は日本語では完全な文ですが、英語には be動詞が必要です:He is very happy.
- 誤:“She happy.” / “They playing.”
- 正:“She is happy.” / “They are playing.”
2. 時制の混在 過去の出来事を書く作文の中で、現在形が混じってしまう。
- 誤:“Yesterday, I go to the park. I see my friend.”
- 正:“Yesterday, I went to the park. I saw my friend.”
3. 冠詞(a / an / the)の省略・誤用 日本語には冠詞の概念がなく、抜かしたり「the」を多用したりしがちです。
- 誤:“I have dog.” / “The honesty is important.”
- 正:“I have a dog.” / “Honesty is important.”
4. 名詞の単複数ミス 複数形の -s を忘れる、または不可算名詞を可算名詞として扱う。
- 誤:“I have three book.” / “She gave me an information.”
- 正:“I have three books.” / “She gave me some information.”
5. 主述の一致ミス 3人称単数現在形で動詞に -s をつけ忘れる。
- 誤:“He like football.” / “My sister play piano every day.”
- 正:“He likes football.” / “My sister plays piano every day.”
この5つには共通点があります:ルールが明確で、チェック習慣を作れば改善できるという点です。
家庭でできる5つのサポート
①「提出前5ステップ確認」の習慣をつける
作文を提出する前に、毎回次の5項目を確認させましょう:
- すべての文に主語と動詞があるか?
- 人や物の状態を表す文に be動詞(is / are / was / were)があるか?
- 作文全体で時制がそろっているか?(物語 → 過去形、意見・事実 → 現在形)
- 数字のあとの名詞に複数形 -s がついているか?
- 単数の可算名詞の前に a / an / the があるか?
保護者は英語が得意でなくても大丈夫です。お子さんが確認を実行しているか見守り、わからないときは一緒に考えるだけで十分です。
②文法チェックツールを補助として使う
お子さんがセルフチェックした後、文法チェックツールに貼り付けてもう一度確認しましょう。ツールが指摘したエラーをお子さんに声に出して読んでもらい、「なぜここが間違いなの?」と聞いてみましょう。答えを自分の口で説明できると、ルールの定着につながります。
③繰り返し出るミスに絞る
エラーが10か所あっても、全部を一度に直そうとしないことが大切です。最も多く出ているエラーの種類(時制?be動詞?)に絞って、数週間集中して取り組みましょう。1つの問題を深く直す方が、10の問題を浅く触れるより効果的です。
④声に出して読む習慣をつける
書き終わったら声に出して読む——このひと手間で、be動詞の抜けや時制の矛盾に気づきやすくなります。「なんか変だな」と感じたところが、エラーの可能性が高い場所です。
⑤毎日10分の英語読書
語彙力は英語ライティングの重要な土台です。本・英語のマンガ・興味のある英語サイトなど、お子さんが楽しめるものを毎日10〜15分読む習慣は、語彙の自然な積み重ねにつながります。
中学進学前に整えておきたいこと
6年生の今のうちに取り組んでおきたいことは、「提出前のセルフチェック習慣」を確立することです。
中学では英作文の字数が増え、文法の基準が厳しくなります。小学校の短い文章でチェックを練習しておくことで、中学に入ってもすぐ同じ習慣が使えます。
特に次の文法項目が不安定な場合は、進学前に取り組んでおくと中学がスムーズになります:
- be動詞(am/is/are/was/were)
- 過去形(特によく使う不規則動詞)
- 冠詞 a/an/the の基本的な使い方
- 名詞の複数形の基本ルール
よくある質問
担任の先生に「英語は問題ない」と言われましたが、家でも練習が必要ですか?
「問題ない」は「その学年の基準では合格圏内」という意味で、文法的に完璧ではない場合もあります。小学校の評価基準は比較的ゆるやかなことが多く、中学では同じエラーが減点対象になることがあります。習慣をつけておくことで、進学後の負担を軽くできます。
保護者が英語が苦手でも、サポートできますか?
はい。保護者の役割は英語を直すことではなく、①確認ステップを実行しているか見守ること、②文法チェックツールの指摘をお子さんと一緒に読んで理解を確かめること、の2点です。英語が苦手な保護者でも十分できます。
作文の内容はいいのに文法エラーが多い。どうすればいいですか?
内容がよいのは大きな強みです。文法の問題は技術的なものなので、習慣化で改善できます。最も効果的なアプローチは、毎回の作文でbe動詞・時制を専用にチェックするステップを加えること。4〜6週間続けると、よく出るエラーは目に見えて減ってきます。
小学校から英語塾に通わせるべきですか?
文法の正確さが主な課題であれば、家庭でのセルフチェック習慣と文法チェックツールで対応できることが多いです。全体的な英語力が低く、語彙・読解・文法すべてに課題がある場合は、個別指導が有効なこともあります。まずは何が課題かを具体的に把握してから判断することをおすすめします。
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